2020年度第1回教育支援センター「FD・SD研修会」開催報告

テーマ:「遠隔授業の留意点~『遠隔授業についてのアンケート』結果から見えてきたこと~」

教育支援センターでは、2020年9月14日(月)に、オンラインで2020年度第1回教育支援センターFD研修会「遠隔授業の留意点~『遠隔授業についてのアンケート』結果から見えてきたこと~」を開催しました。本研修会は、秋学期に対面授業と遠隔授業を併用することから、春学期に実施した遠隔授業を振り返り秋学期に向けて留意点を確認することが目的。8月に本センターが教員と学生を対象に実施した「遠隔授業についてのアンケート」の結果をもとに、土屋守正所長(理学部教授)らが講演しました。

当日は、WEBビデオ会議システム「Teams」を使い、教職員約300名が参加。まず山田清志学長があいさつに立ち、「この半年、新型コロナウイルス感染症の拡大による環境の変化は大変大きい。先生方も多くの苦労をしながら、教育・研究活動に尽力してきたことと思います。今日の研修会ではその経験を共有するとともに、秋学期のよりよい授業につながることを期待しています」と話しました。続いて土屋所長が、授業アンケートの結果を報告。「教員の約60%が『学生とのコミュニケーションが取れている』と答えていましたが、約15%がコミュニケーションが取れていないと感じているようです。多くの先生方がメールやWEBビデオ会議システムなどを用いて学生とのコミュニケーションをとっておられるようですが、今後も活用の機会を増やし、学生からの質問や疑問に回答して、コミュニケーションをとっていただければと思います。また、学部ごとのアクセスする時間を制限していた授業支援システムについて、多くのご意見をいただきました。本学では秋学期に向けてシステムを一新し、アクセス制限はなくなります。ぜひ活用してください」と語りました。また、「各授業のレポートや課題について学生の60%以上が、『多くて期間内に終わらせるのが困難』と回答しています。また、自由記述を見ますと、達成感を得られていないという点をよく見受けます。学生の達成感、満足感を高めるためにも課題に臨む時間に余裕を持たせたり、締め切り後でも柔軟な対応をとったりと提出期間や量に関して見直すことや学生のフィードバックが大切である。」と話しました。

その後、田中真准教授(情報教育センター)と日比慶久講師(現代教養センター)がそれぞれの授業方法を紹介。「授業の内容だけを話すのではなく、社会情勢や大学の様子などさまざまな情報を学生に伝えるようにして、学生が集中力を保てるよう心掛けました」、「学生から質問が届いたときや課題が届いた際にはすぐに返信をするようにしました。教員の負担も増えましたが、学生も未曽有の社会情勢の中で努力をしています。メールの返信には努力をたたえる内容を書き添えることも多かったように感じています」と話しました。また、教育支援センターの内田匡輔次長(体育学部教授)は「遠隔授業における障がいのある学生への対応」について講演。聴覚障がいのある学生に対する事例を紹介し、「遠隔授業の際には、なるべく文字情報を増やし、3密を避けられる状態では、教員の口元が見えるようにマスクを外すなどの配慮も必要でしょう。またノートテイカーや音声認識アプリも活用してほしい」と語りました。

最後に内田晴久副学長(企画調整担当・教養学部教授)があいさつし、「今回の研修会でもっとも顕著に表れたのは学生とのコミュニケーションの重要性でした。秋学期は遠隔授業と対面授業を併用することから、春学期には見えなかった新たな課題も生まれる可能性があります。本学ではそれらを予測して、事前に対処するとともに臨機応変な対応ができるよう準備を進めています。ぜひ今後もよりよい教育環境を目指して努力していきましょう」と話しました。